since2000.11.19

キャブレター調整法
2005.11.26更新

2005.01.03 更新
ミクニキャブ調整法(ミクニ資料)PDF:940KB
BING 分解法(モトメンテ28号)PDF:280KB

キャブレターのバランス調整をお話しましょう。 
ただし、ほとんどがBMWのリペアマニュアルに載っています。 
少し私の経験も入ってますが。
        
 その前にアイドリング時の同調がずれると、エンブレ中にアフターファイアーが起こりやすくなります。。もちろんアイドリング中のエンジンが震えるような感じもするかもしれません。

同調に必要なもの。
○スロットルケーブルの同調にはアクセルグリップにストッパーがあると便利ですよ。
(部品番号32 72 1 230 874、
2000円位)
参考BBSへ
モノサスはmotobins(Parts No.61181
R100R用はmotobins(Parts No.61183)

 
このストッパーはツーリングや高速巡航時にも右手を休めることができて、またスロットルが戻ろうとする力を和らげてくれるので手首の疲労も和らげてくれる優れものだと思います。


○それと、バキュームメーターですね。
 バキュームメーターですが、購入したままでは針が振れてほとんどが使えません。
ゴムホースの間に、何らかのオリフィスが必要です。細いホースでしたら長めにしてくるくる回しておくだけで振れが止まることもあるそうです。(ぴったり針が止まらなくても、中心値がわかればいいのではないでしょうか?
 メーターが1個の場合は、熱帯魚の水槽へのエアーを送るところにつける3方コックで切り替えるとオリフィス効果もあって便利です。(メーターの固体差が問題ないので、正確に調整できるのではないかと思ってます)
 2個あれば、もちろんとても便利ですが、2個がキャリブレーション(校正)されているわけではないので、最初交互に使ってほぼ同じ値を示す(個体差がある)か確認できるといいのですが。
 
 BINGには図−2の1番のバキュームの取り出し口がついていますので、スクリューをはずして接続することができます。(スクリューはなくさないでね)

同調をとる前に
@シリンダーヘッドの増し締めをしましょう。(トルクレンチで均等に対角線の順番に35Nm±4Nm)、しかし無理をしないようにナットをなめる場合もあるようなので慎重に。
Aバルブクリアランスの調整をしておきましょう。
(モノサスの場合、冷間時でIN:0.15mm、EX:0.2mm)
 @、Aはシリンダーヘッドカバーをはずす必要がありますし、七四式さんが作成してくれたOBCのHPにあるFAQを参考にしてください。
B点火時期の調整もしておくといいのでしょう。
Cキャブを取り付けているゴム製のホースのバンドはしっかり締まっていて2次空気を吸い込んでいないか確認しましょう。(これは日常点検でも必要なことです)
Dせっかくなのでハンドル部のスロットルギアの古いグリスを洗い落とい新しいギアオイルを塗布するとスロットルも軽くなると思います。 参考図(スロットルケーブル)
Eスロットルワイヤーも長年使ってるとタンクに挟まったりしていることもありますから、一度タンクをはずしてワイヤー(左右別の2本のケーブルでつながっています)を確認してください。急に曲がっていたりしてたら修正しておくといいでしょう。
 

では、同調調整ですがエンジンは暖気運転してください。

1)図−1の1番のスロットルケーブル(エンジン側にある方)の遊びが、仮に2mm位に左右のキャブを調整します。(リペアマニュアルには4mmと書いてありますが)
2)チョークケーブルを調整し、ハンドルにあるチョークレバーレバーを閉じたときには
図−1の4番スターターレバーが端まで押されてることを確認してください。
 注)チョークケーブルは二股のケーブルで接続されてます。参考図(チョークケーブル)
3)キャブレター本体の下部にある図−1の3番アイドリングミクスチャーアジャストスクリューをいったん全閉(軽く止まったところでok)にし、とりあえず3/4回転戻します。
4)図−1の2番スロットルストップスクリューを一旦、ストッパーに着くまで緩め
(ストップしないものもあるようですのでフリーになるまででOKです)、そして左右のキャブとも1/2回転くらい均等に締めこみます。(これはあとで微調整します)



図ー1


図ー2

5)エンジンを始動して、アイドリングの回転数が1000RPM位(900RPMでも良い)になるように、左右のキャブのスロットルストップスクリュー(図−1の2番)を同じ角度で調整します。
そして、バキュームメーターで同じ位の数値になるようにいずれか片側のキャブで調整します。
 バキュームメーターの数値が小さいときはスロットルが開きすぎですから、そちらのスクリューを緩めて同じ数値になるように調整します。(もちろん、数値が高い方を調整する方法でも結構です)
この場合、回転が下がり過ぎる場合は、反対側のスクリューを絞って回転をあげてから再調整します。

6)キャブの下側についている”アイドリングミクスチャーアジャストスクリュー”(、
図ー1の3番、図−2の5番)を調整して、一旦回転あがるところを見つけてそれから絞りこんで、エンジンの回転が落ち始めるところを探します。
 その下がり始めの位置から1/8〜1/4回転位戻しておきます。
アイドリング回転は1000RPM位になるように、 ”スロットルストップスクリュー、アイドリングミクスチャーアジャストスクリュー”で何度か再調整してください。(私は以前はできるだけ回転数が低くできることがエンジンの調整が完全かなと思ってましたが、どうもそんなことはないそうで、900から1000RPMが無理がなくてよいとのご意見があって、現在は1000RPM位で調整しています) 

 アイドリング調整はなれればすばやくできますが、初めての方は戸惑って、長時間運転することがあると思います。特に夏の暑いときにする場合は木陰で、そして時々エンジンを止めて休ませてから再調整したほうが、エンジンの為にも人間の為にもいいかと思います。 
   
7)スロットルワイヤーの同調です。
 最初に図の3の2の部分の遊びがアクセルを戻したときに1mm位になるように,スロットルケーブルのアジャスティングスクリューの固定ナット(図ー3の3番)を緩め、調整しておきます。(この遊びが大きすぎると感じる方はハンドルを左右に切ったときにエンジン回転が変化しないか確認できれば小さくしてもよいかと思います)

 エンジンを始動して回転数を1500rpm位の回転にアクセルストッパーを使って固定します。
エンジンがヒートしやすいのでできるだけ短時間で行えるようにしましょう。
(くどいですがチョット休憩も必要かもしれません)

 私はミクニもデロルトもそうですが、発進するときに気持ちのいい感じがえられるように1500RPMから1800RPM当りの同調をとるようにしています。
 アイドリング調整でも書きましたがバキュームメーターの数値が低い方がスロットルは開けすぎですから、ケーブルのアジャスティングスクリュー(図ー3の2番の下にある)を時計方向に回転させて絞り込んで同調をとります。(もちろん、数値が高い方を調整する方法でも結構です)
 そこで、ここでエンジンの回転が落ちたら、もう一度アクセルを回して回転数1500rpmとし、バキュームの数値が同じか確認します。 
 次にナットを締めて固定しますがここでも同調できてるか確認してください。

 調整が終わりましたら、アクセルを戻したときにケーブルの遊びがとれてるか再確認してください。



図ー3

 これで調整は終わりです。(騒音やエンジンからの発熱を考えると)ちなみに私が西宮に単身赴任していたころですが、社宅の前でこの調整をしていたら、ご近所さんから寮長さんの所へ電話が入り「バイクの音がうるさい」という苦情がきた事がありますので調整される方は十分注意されたし。

 同調がとれたバイクにのると、こんなにスムースなものか驚かれると思います。(もともと同調がとれてない場合ですが)